農地バンクって何?日本の農業をサポートする!? 解説します!

こんにちは、リビンマッチ公認!リビンマッチの歩き方~損をしない土地活用とは?~です。
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「リビンマッチ・土地活用」今回は「農地バンクとは(1)」です。

土地活用は、人口の多い都心の方が適していると考えられています。
土地は利用者が多ければ多いほど、さまざまな活用法が可能となり収益も多く上げられるからです。

田舎に住む土地所有者にとって、とくに農地を持っている方にはこのような都心向けの土地活用は現実的ではありません。
農地の活用方法には、国が推進している「農地バンク」というものがあります。
今回はこの「農地バンク」について考えていきたいと思います。

農地バンクとは

この農地バンクという言葉、聞いたことがある方はいらっしゃるでしょうか。
農地バンクとは通称であり、農地集積バンク、もしくは農地中間管理機構という名前で知っているという方もいらっしゃるかもしれません。
バンクとはつまり「銀行」という意味ですから、農地バンクとは文字通り、農地を国が借り上げて農地を必要とする人に対して貸し出すという仕組みです。

農地バンクは安倍政権が掲げている農業改革を促進・実現するための手段のひとつであり、そのシステムのために莫大な予算が使われてきました。

農業改革は、アベノミクスの金融政策と財政政策と並ぶ、成長政策のうちのひとつとされています。
しかしこの農業改革は、現状としてはうまくいっていると言えないようです。
どうして農地を国がわざわざ借り上げて貸し出すというシステムが必要なのでしょうか。
現在農地をお持ちで、その管理について考えていらっしゃる方はぜひご参考ください。

日本の農業の経緯
農地バンクとは、貸したい、もしくは売りたいと考えられている農地をひとつに集め、借りたい、もしくは買いたいと思っている農業経営者に提供していくシステムで、都道府県別に存在する農地中間管理機構がその役割を担っています。
農地の賃貸契約や売買契約を促進し、円滑に行われるようにすることを目的としたこのシステムは、いわば農地のマッチングサイトのようなものと考えていいと思います。

農地バンクが作られた背景として、まずは日本の農業の歴史からご説明いたします。
日本の農業は、戦後の農地改革で地主が小作人に行わせていた農業から、政府が介入することで農地を小作人に分配したという経緯があります。

農地改革では、このような小作農から自作農への転換が行われ、農地はそれまでの規模から小さく細分化されていくことになりました。
かつて行われていた農業は、農道や用排水路などの必要なインフラが共通していることから、共同体で行ったほうが効率は良く、農村と呼ばれる集落単位で行われるものでした。

ところが農地改革後、小口の農家が集まってもあくまで農地は個人所有であり、代替わりや売買によって土地の所有権が移転していった結果、農地はツギハギの形となって分散されていきます。

中には農家を辞めてしまって荒れ果ててしまい、耕作放棄地となった農地も出てくるようになりました。
このようなバラバラになった農地のままでは再生できないという考えから、農業を復活させるための手段のひとつとして、農地バンクが創設されるキッカケとなりました。

農業の課題
現在の日本の農業は生産効率の悪さが問題視されています。
例えば、離れた複数の農地で作物を栽培するよりも、同じ大きさの面積を持つひとつの大きな農地で栽培するほうが、移動や作業の面を考えても効率よく農業を行うことができます。

ひとつの農家が広大な農地を持つというのが理想です。
しかし現実には農地改革によって個人所有となり分散した農地では、家の土地を代々守るという権利意識もあり、区画調整を合理化すること
も難しく、農地分散化の問題は解消できずにいます。

このような生産効率の悪さは農業全体のコスト高へとつながっており、条約などで規制が緩和されて海外の農作物が大量に輸入されると、大規模な農地で効率よく生産している国には到底敵わなくなってしまいます。
つまり、農地バンクとは農業の効率化によって競争力を高め、農家の所得を上げていこうという政府の新たな試みなのです。

耕作放棄地が増えてきているのも問題となっています。
日本の食料自給率の低下が叫ばれてもう長いですが、かつては70%超という数字を誇っていた食料自給率も、現在では40%弱に落ち込んでいます。

これはあくまでカロリーベースの計算で、飢饉などが起こることとは別問題と考えられてもいますが、国は食料自給率の低下を防ぎ食糧問題などを起こさないという名目のため、農地に規制を設けて保護しています。
個人所有でありながら、国から保護と制限を受けるというのが農地です。

平成に入って農家を営む人は高齢化し、農家がどんどんと減る一方で、国から制限を受ける農地はそのまま残ることになってしまい、次第に耕作放棄地が増えていくことになりました。
耕作放棄地が増加することは、農作物の生産量が低下することを意味し、食料自給率の低下を招くことになります。
農家の減少と耕作放棄地の増加はどちらも農業政策には重要課題であり、食料自給率を維持するためにも早急な対策が必要となってきました。

農地バンクの目的
農地バンクは農業の生産性向上を目的とした試みですが、具体的には3つの目的で創設されています。

ひとつには、農地を集積化してまとめることです。
分散化された農地を集めてまとめることで、効率よく作物を栽培することができる大規模な農地を形成します。
農地の区画整理ともいえますが、耕作放棄地を取り込むことによって、無駄になっている農地を減らし、使える農地を整理していきます。

2つめに、農業経営の規模を拡大することです。
農地の全体の面積は変わらなくても、農地の集積化によって1区画の農地は広くなりますので、経営規模を拡大したいと考える農家にとって今までにできなかった、効率よく農業ができる環境が整います。
その結果、作物の生産性は高まり、経営も安定していくことが期待されます。

3つめに、新規参入を促進して発展してもらうことです。
若い層の農家離れを止めることも重要な課題ですが、いくら保護をしたとしても、人口減少が進む日本において農家が減っていく流れを止めることは難しいと考えられます。
農業の経営規模が拡大すると、企業が参入していくことも可能となって、その企業に若い層が勤めることで農業に関わる人口を増そうという算段です。

以上が農地活用法として期待される農地バンクについて、主にその成り立ちとねらいをご紹介いたしました。
次回は、農地バンクの仕組みとその特徴にについてご紹介させていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

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