土地信託について (3)

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「リビンマッチ・土地活用」今回は「土地信託について(3)」です。

前回、前々回と、土地活用の方法としての土地信託についてとその大まかな流れについてご紹介いたしました。
土地信託について簡単におさらいしますと、所有する土地の運用を信託会社に委託し、得た利益から配当を受けるという仕組みになっています。

土地信託の流れとしては、信託契約によって委託者が信託受益権を得る代わりに土地の所有権は信託会社に移り、信託会社が代わりに運用した利益から配当を受け取って、契約が終われば土地が返還される、という順序になります。
詳しくは前回、前々回をご参照下さい。

今回は土地信託のメリットやデメリットについてご紹介させていただきます。

土地信託のメリット

土地信託のメリットは通常の土地活用とは少し違っていて、ひとことで言ってしまえば「ラク」だということに尽きます。
通常の土地活用の知識が無かったり、活用する時間が取れないという方にもおすすめできる方法です。

前回にも述べましたが、土地信託の最大のメリットは、契約終了時に受託者(信託会社)が土地と一緒に、その土地に建てた建物や設備も含めて全部返してくれることです。

所有権が戻ってきた後には、その建物を自分で運用するのも、建物ごと売却するのも自由です。
建物の建築資金は、信託契約が結ばれている間の運用益から支払われますので、実質的には委託者が負担していることになります。

しかし、建築資金の借り入れは受託者である信託会社の名義で行われ、自分で借金をするわけではありませんので、もし利益が上がりそうになければ信託受益権を売却すれば、借金を背負うこともありません。
精神的な負担もありませんので、自分で賃貸物件を建てるお金がない方や、リスクを負いたくないという方にはおすすめです。

土地信託では土地の活用方法を自分で考える必要がなく、運用知識が無い方や、本業が忙しくて活用する時間がない方でも気楽に始められるというのもメリットです。

土地を運用する事業計画案をはじめ、市場調査や収益性の分析、作った物件の管理などもすべて受託者である信託会社、もしくは信託会社から委託された管理会社などがやってくれます。

すべてお任せといった感じですが、だからといって全く何も勉強せずに土地を預けるのは危険です。
土地信託ではどの信託会社を選ぶのかが一番重要となりますので、信託会社が計画する活用方法が的外れなものではなく、本当に収益性が高いものなのか、大まかに判断できるくらいには知識をつけておくことが望ましく、信託会社を絞り込むことにも役立ちます。

また、信頼するに足る信託銀行を含む信託会社には、蓄積された土地活用のノウハウがあります。
土地信託では、土地活用の専門家を多く抱える信託銀行や信託会社などの受託者が土地を活用してくれるというのも大きなメリットです。
土地活用のプロですから、ただ土地を持っているだけの素人とは比較にならないほどの圧倒的な知識と経験があり、実現性と収益性の高い計画を立てて、その土地にとって効率的な経営を約束してくれるでしょう。

土地の信託受益権を売買できるというのもメリットといえます。
賃貸経営で、アパートやマンションなどで賃料収入を得る場合には、部屋の借主にも一定の権利が認められています。

そのため、借主の住む土地の処分には制限がかかりますし、場合によっては立ち退き料を払わなくてはならないこともあります。
土地信託で所有権の代わりに受ける信託受益権は、このような借主の権利とは関係なくいつでも自由に売買することが可能となります。

また、信託受益権はモノではなく権利ですから、土地そのものと比べると流動性が高く、売買しやすいという特徴があります。
土地を他人に売買するというのは非常に手間がかかりますので、売買の手間を省きたいのであれば、信託受益権を所有するというのもひとつの手段です。

信託契約は印紙税も安くて済みます。
土地を含めた不動産を売買するときは、その契約金額に応じて印紙税を支払わなければなりません。
印紙税とは土地の売買などの経済取引などに関連して作成される文書(課税文書)にかかる流通税のことで、所定の印紙を貼り付けて消印することで税金を納めることになります。

印紙税額は契約金額によって変わってきます。
契約金額が30万円の場合には200円、50万円の場合には500円、700万円の場合には5000円、3000万円の場合には1万円、8000万円の場合には3万円と変動し、契約金額が高額になるにつれて段々と高くなっていきます。
しかしながら、信託受益権を売買する場合には、契約金額に関わらず印紙税は一律200円になり、節約できます。

また、相続の面でも有利となります。
土地信託を行った場合には、一時的に土地の所有権を手放し、代わりに信託受益権を得ることになるのですが、この契約期間の中で相続を行うことになると、被相続人は土地ではなく信託受益権を相続することになります。
信託受益権を相続するための手続きは、土地を相続するため手続きよりもはるかにカンタンで手間を省くことができます。
場合にもよりますが、相続税を節税できるケースもあるため、相続に関しては有利であるといえます。

土地信託のデメリット

ここまでさまざまなメリットを述べてきましたが、土地信託にはデメリットもあります。
まずは信託会社に払う手数料です。

運用を受託者に任せますので、手数料となる信託報酬を支払わなければなりません。
この手数料は受託者側が自由に設定することができるのですが、目安として賃料収入の5%~20%程度になることが多く、幅があります。

しかしながら、手数料が高いからといって必ずしも優秀な信託会社とは限りません。
そして、優秀な信託会社だからといって、必ずしも成功が約束されているわけではなく、失敗する可能性があるのも事実です。

信託報酬があること以外にも土地信託にはデメリットがあります。
土地信託が成功した場合には、委託者は何の苦労もなく長期的に賃料収入を得ることができます。

しかし、失敗した場合には何も得ることができず、それどころか追加の投資を求められることになります。
もし運用に失敗すれば、受託者がその損失を保証してくれることはありませんので要注意です。
受託者に土地を信託した以上は、失敗されても文句は言えません。

ただ、メリットのところで述べたように信託銀行や信託会社は運用に関してのプロですので、素人がやるよりも成功する可能性は断然あるといえます。

手数料を惜しんで自分で運用するか、受託者に運用してもらい信託報酬で手間を省いて成功する確率を上げるか、どちらが良いのかはよく考える必要があります。

また、信託の契約は信託銀行や信託会社からの合意がなければ結ぶことはできません。
彼らも運用のプロですから土地を見る目というのも非常に厳しく、信託できない土地もあるということになります。
もし信託を断られてしまったら、プロがそう判断したのですから自分で運用するのは相当厳しいということになります。
そういった場合には、土地活用は諦めて、安く買い叩かれることを覚悟の上で、売却するのも仕方ないといえます。

そして土地信託では土地活用のノウハウは身に付かないというのもデメリットといえます。
土地信託においては市場調査から収益性の分析、管理会社の選択、そして運用まですべてを受託者へ委任することになります。
これはとても楽なことですが、同時に相手に任せっきりとなるため、自分には土地活用のノウハウが身に付くことはありません。
将来的に時間ができれば自分で土地活用をしたいと考えている方にとっては、土地信託は必ずしもすすめられるものではありません。

以上、3回にわたって土地信託に関してご紹介してきました。
土地信託は、土地活用における選択肢のひとつとして非常に有効な手段といえます。

専門的な知識を持つ必要がなく、その道のプロに運用してもらうため、土地を所有しているけれど活用する自信がない、といった場合には検討する価値があると思います。
必ずしも成功するとは限らないことが注意点ですので、信頼のおける受託先を見つけられるかが大きなポイントであることを再度強くお伝えして終わりたいと思います。

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